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N95マスクの選び方・使い方

Ⅰ. N95マスクの役割

N95マスクの役割は空気感染源を捕集し、着用者の呼吸器感染のリスクを低減することです。
空気感染は、咳やくしゃみ等によって放出された飛沫の水分が蒸発して直径5μm以下の飛沫核となった
ものが、飛散し、病原体が空気の流れによって運ばれ、これを肺に吸入することにより感染します。空気中に浮遊している時に長距離を経て感染性を維持する感染性病原体は、麻疹ウィルス、水痘ウィルス、ヒト型結核菌であり、SA RS コロナウィルスにも可能性があるといわれています[1]。

5micrometer

 

N95マスク規格とは
[4]

N95規格とはNIOSH が制定した呼吸器防護具の規格基準であり、N はnot resistant to oil 耐油性なし を表しています。95とは塩化ナトリウム(空力学的質量径0.3μm)の捕集効率試験で95%以上捕集することを意味しています。 つまりN95マスクは、5μm以下の飛沫核に付着した病原体を捕集することができ、着用者の肺への病原体の進入を防ぐことができるのです。

Ⅱ. N95マスクが必要な臨床場面

  • 結核、麻疹、水痘など空気感染予防策を必要とする病室に入室する医療従事者や患者家族が、室内に入る前に着用します。
  • 検査技師が結核など空気感染が疑われる患者の検体を取り扱うときに着用します。特にエアロゾルが発生する作業時には感染の危険性が高いとされています[2]。
  • 重症急性呼吸器症候群(SA RS)及び新型インフルエンザ(H1N1)感染症患者に対し、気管挿管、気管支鏡、気管内吸引などエアロゾルを発生させる処置を行うとき[3]。
  • レーザー手術の粉塵粒子等にも有用です。
  • 抗がん剤を取り扱う時にも使用が可能です。
  • 救急外来での気管内挿管実施時は、N95マスクを着用することが望ましいでしょう。surgicalmasknote

Ⅲ. N95マスクの選び方

  • NIOSH(米国労働安全衛生研究所)のN95規格をクリアしているか確認しましょう。
  • 自身の顔型にフィットしたN95マスクを選択し、適切に着用しましょう。
  • 必要に応じて液体防護性のあるN95マスクを選択しましょう。

Ⅳ. 指導のポイント

  • 着用のタイミング、着用方法を指導します。
  • 定期的にフィットテストを行い、漏れずに着用できていることを確認してもらいます。
  • N95マスクは、汚染されたり、水に濡れたり、フィットしなくなったら交換するように指導します。これ以外の場合は、製造メーカーの指示に従います。
注)n95マスクは湿気の少ない場所に保管してください。

種類

フィットテストを行い、ご自身の顔型にフィットするN95マスクを選択しましょう。 種類

N95 マスク着用の重要ポイント

1)ユーザーシールチェック(フィットチェック)
 ユーザーシールチェック(フィットチェック)とは、N95マスクと顔の間からの空気の漏れの有無を調べ、正しく装着できているかを確認するもので、装着の度に行う必要があります。陽圧の確認は、装着して、N95マスクのフィルターの表面を手でおおってゆっくり息を吐き、その際にN95マスクと顔の間から空気が漏れているように感じられればマスクの位置を修正して、再度行います。陰圧の確認は同様に手で覆ってゆっくり息を吸い込み、マスクが顔に向かって引き込まれれば陰圧のユーザーシールチェック(フィットチェック)は完了です。
 ユーザーシールチェック(フィットチェック)は、後述するフィットテストの代わりになるものではありません。
ユーザーシールチェック
2)フィットテスト
N95マスクが着用者にフィットし、接顔部の漏れが最小であるかどうかを調べるために実施されるテストのことです。
フィットテストには、甘みや苦味を感じるかどうかで漏れの有無を確認する利便性の高い定性フィットテストと、フィットファクターという数字で漏れの程度を確認する定量フィットテストの2種類があります。
フィットテスト

甘味(サッカリン)を用いた定性フィットテストの流れ

1)感度テスト
 フードをかぶり、N95マスクを着用しない状態で、サッカリンを噴霧し、サッカリンの甘みを感知できるかチェックします。
感度テスト
2)フィットテスト
 N95 マスクを着用した状態で、サッカリンを噴霧し、深呼吸、頭を上下左右に動かす動作、大きく口を開けて「あいうえお」とゆっくり発声することを行い(各動作で2回呼吸)、いずれの動作においても甘みを感じなければそのN95マスクはフィットしているということになります。
 甘みを感じた場合は、一度フードをはずし、新鮮な空気を吸い、水を飲んで口の中から味をなくしてもう一度フィットテストを行います。それでもフィットしない場合は、別のN95マスクでフィットテストを行ってください。
感度テスト

N95マスクの着け方

1)カップ型
感度テスト 感度テスト 感度テスト
2)3つ折
感度テスト 感度テスト 感度テスト 感度テスト
3)くちばし型
感度テスト 感度テスト 感度テスト 感度テスト
文献
  1. CDC: Guidelines for Preventing the Transmission of Mycobacterium tuberculosis in Health-Care Settings 2005
  2. 国立大学医学部附属病院感染対策協議会:病院感染対策ガイドライン(第二版)〈http://kansen.med.nagoya-u.ac.jp/general/gl2/gl2.html〉
  3. 石角鈴華: マスク(サージカルマスク・N95 マスク)・ゴーグル・フェイスシールド Infection control 2010 19(3) P.41
  4. CDC: NIOSH Particulate Respirator Selection and Use. Ⅱ . DETAILED GUIDELINES FOR USE 1996〈http://www.cdc.gov/niosh/respguid.html〉
  5. OSHA: Fit Testing Procedures(Mandatory)〈http://www.osha.gov/pls/oshaweb/owadisp.show_document?p_id=9780&p_table=STANDARDS〉