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動脈採血器具

 

リスク

 動脈血採血は、血液を吸い上げた中空針を使用するために血液媒介病原体の伝播リスクが高い医療行為の一つである。米国の研修医が針刺しでHIV に感染した事例、1999 年に日本で訴訟として取り上げられた看護師の職業性C 型肝炎ウイルス感染の事例は、動脈血採血に用いた器材が原因である。HIV 感染血液への曝露後予防内服の処方内容を決める際、動脈血採血器具による受傷は曝露タイプが「より重症」に分類される。エピネット日本版で集計された動脈血採血時おける150 件中の針刺し原因器材は、使い捨て注射針(48.0%)、 血液ガス専用の注射針によるもの (43.3%) で全体の90%以上を占める。
血液ガス専用の注射針は、注射器から針を取り外すなどのいくつかの取り扱い手順が加わるため、取り扱い者の針刺しのリスクが高まる。日本では、器材を患者に使用中している際に受傷(34.7%)、リキャップ時による受傷(16.7%)、ゴム管・ゴム栓からの抜針/ 採血時(13.3%)、キャップをはずすなど数段階の処理をする際(12.7%)、 器材の分解時(8.7%)、使用済み器材がテーブルやベッドに放置(4.0%)となっている。受傷報告の50%は、安全装置のついていない器材によるものである。針刺しの受傷者の職種は、医師(100%)であり、病室(50.0%)、救急部門(20.7%)、集中治療部(16.0%)で発生している。

対策

  • 動脈ラインからの採血時には、針を使わずに動脈血採取するニードルレスシステムを採用する。
  • 針先をゴムに刺し空気の混入を防止するタイプの血液ガス測定用シリンジは、取り扱い手順が受傷リスクを高めるため、使用しない。
  • 蝶番キャップ付き注射針などの安全装置付き血液ガス専用針を用いる。従来は、針先シール用のキャップをしたり、針をはずして別の器具でシールしたりと操作が煩雑であったが、最近は、蝶番キャップ内に組み込まれたシール剤により針先を密封できるタイプの器材がある。
  • 採取後にすぐに止血できる準備をしてから、動脈採血を行なう。
  • 動脈採血後、針がむき出しのままで、共同作業者に血液ガス専用針/ 注射器を手渡ししない。また、採血後の血液ガス専用針/ 注射器は、トレイを介して受け取る。