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4.療養補償の範囲と取り扱い -官民で補償の範囲が異なる場合があります-

 針刺し・血液汚染等の事故の場合療養補償は、「業務上の負傷」と「業務上疾病」に分けて考えられている。表1 には、労災補償に関わる感染症の一般的認定要件を示した。一般的な認定要件と医学的診断要件が満たされれば、業務上疾病として取り扱われる。

 針刺しによって、C 型肝炎を発症した医療従事者を例にとると、針刺しの段階では、「業務上の負傷」であり、その後にC 型肝炎を発症した場合に「業務上疾病」となり、これは別々に取り扱われるこことになる(表2)。

 業務上の負傷の取り扱いは、「医師がその必要性を認めた場合」の判断により、受傷後に行なわれる検査の回数が決まる。針刺し前からHCV に感染していたこ とが判明している場合には、受傷直後の処置と検査のみ補償され、その後の検査は含まれない。一方、業務上疾病が発症した段階では、業務起因性の判断と療養の範囲がポイントとなる。C 型慢性肝炎を発症した場合も、C 型急性肝炎と同様の取り扱いとなる。労災・公災ともにインターフェロンの使用が補償される。「業務起因性」に関しては、表1、2 にしたがって医学的に常識的な判断で行なわれ、「療養の範囲」としては、C 型急性肝炎等の発症が確認された以降の検査・治療が労災保険で支払われる。平成22 年2 月に地方公務員災害補償基金から発行された「病院等における災害防止対策研修ハンドブックー針刺し切創防止版ー」には最新の血液汚染事故に係る療養補償における取り扱いがまとめられている。職業感染制御研究会のHP からダウンロードできる。

 補償される内容に関しては官民で若干の相違があることに気をつけなければならない(表3、取り扱いの官民比較)。 また、HBs 陽性、HBe 陽性の場合でも、 単に皮膚に血液が付着した場合は、保険給付の対象にはならない。予防的なHBIG の注射、HB ワクチンの接種も対象ではない。また、一部の地方公務員災害補償基金支部の通知では、「HCV 抗体「陽性」の場合には、「針刺し事故」「血液汚染事故」の場合とも、療養補償の対象とする検査を「初診時の一回分」に限定する(縫合、消毒、洗浄等の処置は認める)」との通知もあり、受傷後経過観察の期間は最小限度と認めているものの、その療養補償の期間や検査回数に関しては、現在のところその解釈が基金支部によって異なる場合がある。詳細は文献を参考にされたい。